霊壁石の展示
霊璧石は、中国の伝統的な鑑賞石であり、その質感はきめ細かく温かみがあり、触れるとまるで脂が手に馴染むような滑らかさが特徴です。自然の力によって多様な形状が形成され、鑑賞の角度によって異なる形を楽しめることが大きな魅力です。また、霊璧石は非常に硬質であり、叩くと澄んだ美しい音が響くことから、中国では「歌う石」とも称されています。
霊璧石の歴史は非常に古く、約3000年前の殷商時代には、既に国家の重要な儀式で使用される楽器である編磬の材料として用いられていました。唐代以降、現代に至るまで、霊璧石はその美しく優雅な形状と、素朴でありながらも堂々とした風格によって、歴代の文人や雅士たちに愛され、「天が創り出した宝物」として大切にされてきました。
また、この石が具現する「道法自然」の思想は、中国古典哲学の精髄を体現しており、多くの人々に深い感動と思索の機会を与えてきました。清朝の乾隆皇帝は霊璧石を「天下第一の石」と賞賛し、数多くの詩人や文人がその絶妙な美しさを讃えてきました。
霊璧石は日本においても、市河米庵など江戸時代の文化人に愛されていました。
米庵の『小山林堂書画文房図録』や、煎茶道の茶会記録集『青湾茗醼図誌』には、霊璧石の画像が収録されています。
2026年に京都で霊璧石の展示館を建設する計画が進行中です。
この展示館では、弊社が誇りに持つ貴重な霊璧石コレクションを一堂に集め、目の前で霊璧石の美しさや特徴を鑑賞することができます。
ぜひお楽しみにしてください。